「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
 常に彼女のおまけのように扱われていた私とは、同じ立場にあっても似ていて非なるもの。

 シリルと私が偽装結婚だと疑われたのは、二人があまりにも似合わなかったせいなのかもしれない。きっと偽装結婚であることが知られたら、納得してしまうはずだ。

 やっぱり、最初からおかしいと思っていたんだと。

 ジャスティナがシリルに何を交渉をするのも、それを聞いて彼がどう判断するかも、私が口を出せる話ではない。

 だって、私とシリルは本当の夫婦でも何でもなくて……彼の心変わりを責められるような、そんな立場に居ないもの。
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