今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
(き、気まずい)

 エステルにだってこの状況を説明できなかった。

(あの後、気づいたら村に戻ってきてた。それで……なぜか魔王がうちにいる)

 不機嫌そうな表情をしているが、ゼファーラントから敵意は感じない。

(本当なら村は滅びてるはずなのに)

 村が滅びていないから、幼馴染たちも散り散りになっていないし、魔王が世界を滅ぼすためにどこかで力を蓄えることにもならない。

 物語はたしかにプロローグ通り進んだはずだったが、今の事態は明らかに異常だ。

「私たちを助けてくれたのはあなた……?」

 おずおずと尋ねるも、ゼファーラントはエステルに答えようとしない。

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