冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
しかし、まだその頃の私には一つだけ希望があった――それが、王都にあるファーリスデル王国立騎士学校への進学だったのです。
将来立派な騎士となるべく励む同輩たちの姿を見ることができれば、失われた熱意を取り戻すことができるかも知れない。きっとこんな心境を変化させてくれるような何かが見つかるはずだ……。
そんな希望に一筋の光を見出し……自分を叱咤して彼らに恥じぬようにと鍛錬により打ち込んだ私を来たるべき入学日に待ち構えていたのは、より深く、暗い闇でした。
入学当日、新入生総代として挨拶をこなし、貴賓室に招かれた私を待っていた校長の言葉と表情を私は今もはっきりと覚えている……。
「キース君、君には二年次から生徒会長になってもらい我が学校のことを任せることになっています。なにせ、あのエイダン家……騎士団長を輩出した家柄なのですから。そのように、父君にもどうぞよろしくお伝えいただき、当校と私にぜひお力添えを……」
将来立派な騎士となるべく励む同輩たちの姿を見ることができれば、失われた熱意を取り戻すことができるかも知れない。きっとこんな心境を変化させてくれるような何かが見つかるはずだ……。
そんな希望に一筋の光を見出し……自分を叱咤して彼らに恥じぬようにと鍛錬により打ち込んだ私を来たるべき入学日に待ち構えていたのは、より深く、暗い闇でした。
入学当日、新入生総代として挨拶をこなし、貴賓室に招かれた私を待っていた校長の言葉と表情を私は今もはっきりと覚えている……。
「キース君、君には二年次から生徒会長になってもらい我が学校のことを任せることになっています。なにせ、あのエイダン家……騎士団長を輩出した家柄なのですから。そのように、父君にもどうぞよろしくお伝えいただき、当校と私にぜひお力添えを……」