冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
卒業を来年度に控えつつ……そんなふうに身の程を弁え、自らを諦める覚悟を決めようとしていた時、私は出会ったのです。
現魔法騎士団団長――リュアン・ヴェルナー……私の生き方を変えることになった彼と。
今からもう、九年程前の春になるでしょうか……時が経つのは早いものです。
私が三年生の代表として新入生を迎える挨拶を行った時、リュアンの姿もその中にあった。そのころの彼は誰の目にも気落ちが明らかで、目立つ容姿にもかかわらずひっそりと教室の隅で息をしていそうな、そんなイメージを抱いたのを覚えています。
もしかしたら、すぐにでも辞めてしまうかも知れない。そんな予想とは裏腹に努力を続ける彼の姿を私はすぐに目の当たりにすることとなりました。
現魔法騎士団団長――リュアン・ヴェルナー……私の生き方を変えることになった彼と。
今からもう、九年程前の春になるでしょうか……時が経つのは早いものです。
私が三年生の代表として新入生を迎える挨拶を行った時、リュアンの姿もその中にあった。そのころの彼は誰の目にも気落ちが明らかで、目立つ容姿にもかかわらずひっそりと教室の隅で息をしていそうな、そんなイメージを抱いたのを覚えています。
もしかしたら、すぐにでも辞めてしまうかも知れない。そんな予想とは裏腹に努力を続ける彼の姿を私はすぐに目の当たりにすることとなりました。