冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
 闇と、ふたりの女神やその眷属たち……そしてセシリーが姿を消した後も、全ての脅威が去ったわけではなかった。一旦増加してしまった魔物たちによる被害は増え、所属の区別なしに騎士団員たちは東奔西走してそれらに立ち向かう日々。それらが落ち着き一件落着に思えたものの……別の問題がふたつの国を待ち受けていた。

 わずかずつだが、魔石の産出量が減り始めているという報告が上がったのは、つい最近のことだ。それ以外にも、ガレイタムで行われている人口魔石の作成に使われているという、様々な鉱物中の魔力濃度が低下していることから、少しずつ身の回りの魔力が減り始めていることが分かった。魔導具の動作不良が増えたとか、魔法が使いにくくなったような気がするとか、そう言った噂があちらこちらで聞かれるようになっている。

 原因は、闇と女神が消えたことに間違いないのだろう。彼らが存在することで供給されていた魔力が途絶え、ふたつの国は、ゆっくりと五百年前の元の状態へと戻りつつあるのだ。少なくとも、五十年か百年か、そのくらい後には魔法も魔道具も意味をなさなくなってしまうだろうという話を、彼らはレオリンから聞かされた。

 また、魔物の出現も治まるだろうと見込まれ、それに際し、役割の少なくなってしまう魔法騎士団と正騎士団との垣根をなくし、元通りに統合していく計画が立てられているという。
< 778 / 799 >

この作品をシェア

pagetop