冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
思い思いの沈黙を断ち切るように立ち上がったのはラケルだった。彼はこの後ガレイタム王国に行く予定だという。目的地は月精の森だが、その途中にリズバーン砂丘にも立ち寄るらしい。
「……うまくやっているのか?」
「何とかやっていけてるみたいですよ。砂丘にも少しずつ緑は増えてますし、噂を聞いて、少しずつ人も流れて来るみたいです。しかし結局、あの土地ってどっちの国の所属になるんですかね?」
「さあな。まだ答えは出ていない」
リュアンは首を捻った。ジェラルドとレオリンの間で話し合いは成されているが、かつて国が存在したというあのリズバーン砂丘の所属国家が決まるのは、しばらく先だ。だが、きっとそこで育まれてゆく新しい生命をふたりの王はないがしろにはしないだろう。もう、あそこは忌むべき土地ではなくなったのだから。
「魔女、って言われてる。いや……自分でそう言わせてるみたいですよ、あの人。そんなことをしても、誰も裁こうなんて人はいないみたいですけどね。食い詰めた人やら、病気の人やら誰彼構わず助けてるみたいだから」
「そうか……そのうち俺も、あいつと一緒に会いに行かなきゃな」
「――それじゃ、僕は出ます。……あれ、何だ君たち、声くらいかけたらいいのに。入りなよ」
「……うまくやっているのか?」
「何とかやっていけてるみたいですよ。砂丘にも少しずつ緑は増えてますし、噂を聞いて、少しずつ人も流れて来るみたいです。しかし結局、あの土地ってどっちの国の所属になるんですかね?」
「さあな。まだ答えは出ていない」
リュアンは首を捻った。ジェラルドとレオリンの間で話し合いは成されているが、かつて国が存在したというあのリズバーン砂丘の所属国家が決まるのは、しばらく先だ。だが、きっとそこで育まれてゆく新しい生命をふたりの王はないがしろにはしないだろう。もう、あそこは忌むべき土地ではなくなったのだから。
「魔女、って言われてる。いや……自分でそう言わせてるみたいですよ、あの人。そんなことをしても、誰も裁こうなんて人はいないみたいですけどね。食い詰めた人やら、病気の人やら誰彼構わず助けてるみたいだから」
「そうか……そのうち俺も、あいつと一緒に会いに行かなきゃな」
「――それじゃ、僕は出ます。……あれ、何だ君たち、声くらいかけたらいいのに。入りなよ」