□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

一人で眠る時はどんなに毛布をかぶっても冷たいままだった足先が、片桐に抱きしめられていると嘘のように暖かくて、胸の中がふわふわする。

この感覚をなんて言うんだろう。
安心感というのか、幸福感というのか。
上手く言葉にできないけど、こんな気持ちで眠りにつくのは一体何年振りだろう。

きっと私は煙草のにおいを嗅ぐたびに、この仮眠室に入るたびに、この片桐の腕の感触を思いだしてしまうんだろうとぼんやりと思う。


それがいいのか悪いのかわからずに、とりあえず私は目を閉じた。



□TRIFLE□04□END□

< 108 / 396 >

この作品をシェア

pagetop