□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「リゾートホテルだと全面ガラス張りのチャペルで、雪に覆われた深い森を前に挙式ができるんです。前に友人の挙式で体験したんですけど、静かに雪の降る森を見ながらの挙式にはとても感動しました。雪の少ない地域の方にはなおさら新鮮で魅力的だと思います」

「それはぜひ撮影しておきたいわね。雪の綺麗な時期に撮影するとなると……」

「確実なのは一月、二月ですね」

「うわ、急いで撮影のプランたてなきゃ。ごめんね平井さん。TRIFLEも年末進行で忙しい時期なのに甘えちゃって」

「いえ、大丈夫です」


むしろもっと忙しい方がいい。
自分の時間がないくらい、一日のすべてを仕事で埋め尽くしてしまえたら、ずっと楽になれる。

どんなに疲れ切っていてもベッドに入る瞬間、片桐の腕の感触を思い出してしまう私は、まだまだたりないんだ。


もっともっと、仕事をしなきゃ。
もっともっと、余計な事をすべてを忘れてしまうくらい。

あの熱い肌の感触を、忘れられるくらいに。



□TRIFLE□07□END□


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