□TRIFLE□編集者は恋をする□
 



……本気で惚れてる、なんて。



いつも冗談で笑ってばかりいる三浦くんの、あんな真剣な表情初めて見た。

自分の心臓がものすごい速さで動いていることに気が付いた。

考えておいてとは言われたけど、正直片桐以外の人なんて考えられないのに。
しかも、同じ職場で恋愛なんて、こんな気持ちはこりごりなのに。
それでも、三浦くんのまっすぐな告白は、思い出すだけで胸をドキドキさせた。

あんな真剣に言ってくれたんだから、私もちゃんと受け止めて返事しなきゃな。
そう思いながらプラスチックのスプーンで、綺麗な白桃を掬って口に運んだ。

三浦くんがくれた白桃のトライフルは、甘酸っぱい味がしてとても美味しかった。


□TRIFLE□14□END□

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