□TRIFLE□編集者は恋をする□
 



「うわぁ。写真で見てはいたけど、実際に来ると想像以上に綺麗なところね!」



木々の緑が眩しい、よく晴れた初夏のある日。
私たちはウエディング本の撮影で占冠(しむかっぷ)村にあるリゾートホテルに来ていた。

広いホテルの敷地の中にある、世界的に有名な建築家が作った自然と一体化するように設計されたという教会に入った瞬間、その美しさにみんな息を飲んだ。

簡素にも思えるシンプルなコンクリート製の建物を進んだ先に待っていたのは、視界いっぱいの光の空間。
全面ガラス張りの大きな窓から見えるのは、静かに枝を揺らす針葉樹の森と、床と同じ高さで目の前に広がる綺麗な泉がある。
周囲の緑を反射する水面の中心には白くて大きな十字架。
静かで美しいその空間には、神聖な空気が漂っていた。

「表紙の撮影にぴったりの場所ね」

うっとりとため息をついた新田さんに、私も横に並んで頷いた。

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