□TRIFLE□編集者は恋をする□
本当は普通のインスタントコーヒーでいいんだけど。
でも、最近ラーメン続きで弱った自分の胃腸の事を考え、大人しくデガワの差し出したマグカップを受け取る。
「はい。葉月さんもどうぞー」
「ありがとう」
「葉月さんって、なんか大人の女性って感じですよねー。憧れちゃいます」
デガワは近くの椅子を引っ張ってくると、私たちの間に綺麗な三角を作るようにして座った。
「あー、わかるかも。葉月さんって色っぽいのにかっこいいよね」
「仕事もできるのに、ガツガツしてなくて余裕な感じが素敵です」
「ん?それ仕事にガツガツしてる私に対しての嫌味?」
「あ?そう聞こえちゃいました?」
私が冗談半分で睨むと、うふふ、と小首を傾げて笑顔で返すデガワ。
こんなに可愛らしくみえて、意外と強かで逞しいデガワの事はキライじゃない。
仕事よりも恋愛やおしゃれのことばかり考えてる彼女だけど、本当は要領のいい、頭の回転の速い子なんじゃないかと思う。
学校の成績なんかとは違う意味で。
なんてぼんやりと思っていると、「お菓子食べませんかー?」と、頭上から明るい声が聞こえてきた。