□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「わーい、食べる食べる!」

デガワがお菓子という言葉に、まるでしっぽをふって喜ぶ子犬のように立ち上がる。
その視線の先には三浦くんがいた。

手足の長いすらっとした体形に、やわらかく波打つ茶色髪。
くっきりした二重の三浦くんは、最近この編集部にやってきた大学生のアルバイトの男の子だ。

三浦くんは私のデスクの上に手を伸ばしてティッシュを数枚引き抜くと、手に持っていた綺麗な箱の中から、チョコレートをティッシュにくるんで葉月さんとデガワに手渡す。
そして、椅子の背もたれに身体を預けて彼を見上げていた私を見ると、小さく笑いながら箱の中から一粒つまみあげ、私の口に直接放り込んだ。

その瞬間口の中に広がったカカオの香りと、唇に柔らかく触れた三浦くんの指先の感触に驚いて息をのむ。

濃厚なガナッシュの滑らかな舌触りと、微かに鼻に抜けるスパイシーな味わい。すごくおいしい。

「うわ、これルサールのチョコだぁ」

チョコレートの粒を見ただけで、デガワがうれしそうに声をあげた。

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