□TRIFLE□編集者は恋をする□
「せっかく校了終わったばっかりなんだから、今日はもっとダラダラしましょうよー」
デガワはイヤイヤと駄々をこねる子どもの様に、胸の前で手を握り小さく肩を振る。
仕事をさぼる時すらも自分が可愛らしく見えるアピールを忘れない彼女に、大きなため息がでた。
「ダラダラってねぇ」
「それにあたし今日カラコンだから細かい文字見るのつらいんですよね」
「は?」
「ほら、黒のカラコン」
思わず眉をひそめた私に、デガワは顔を近づけて、人差し指でまぶたをさして見せた。
そう言われると確かにいつもより黒目が大きい気もするけど。
「カラコンだと目が乾きやすくて疲れるんですよねー」
「なんで仕事にカラコンなんてつけてきてんのよ。外せばいいでしょ」
「ムリですよ。これ度入りだもん。外したらもっと見えなくなっちゃう」
「いや、そうじゃなくて」
かみ合わない会話に思わず頭を抱えたくなる。
デガワは仕事をしに会社に来てるんでしょう?とたずねようとした瞬間、
ハックショーン!!!と、編集部に大きなくしゃみが響いた。