□TRIFLE□編集者は恋をする□
あまりにも豪快すぎるくしゃみに驚きながら振り返ると、編集長が自分のデスクで乱暴に鼻をこすっていた。
デスクにだらしなく肘をつき、パチンコ雑誌をめくる編集長。
くたびれた白いシャツの襟元はもちろんネクタイなんかなく、ボタンも上から三つはだらしなく外されていた。
いくら校了後の余裕のある時期だからって、ここのボスがその態度って不真面目すぎる。
あんな編集長の姿を見てしまうと、さすがにデガワを叱る気にもなれず、用意した言葉のかわりに大きなため息を吐きだした。
「ごめんなさーい。いつもはちゃんと普通のコンタクトなんですよ。
でも今日はこの後合コンだし、校了終わったばっかりだからいいかなーと思って」
私が怒るのを諦めた今がチャンスだ、とばかりに、デガワは両手を胸の前に合わせてごめんなさいポーズをして謝る。
「合コンねぇ」
どうりで今日も可愛らしい恰好をしてると思った。
丸衿にビジューがついたクリーム色のブラウスと、ピンクのミニスカート。
柔らかい茶色のロングヘアを毛先だけくるりと内巻にしたデガワは、文句なしに可愛い。
まるでお人形さんみたいだ。