おいらんっ道中らナイス!
 臨終の席で医者が言った。



「なんにせよ。

 もう既に手の施しようは、
 なかったんですけれどもね



 それでも

 少しでもー。

 と、お声掛けしましたら、

 早く妻に会いたいから
 イイ

 って
 もっぱら鎮痛剤の処方のみで。



 それが、
 最後お会いした時には

 しくじったかな?

 と、
 笑っておられました。」




 通夜の晩



ろうそくの守りをしながら
忍は
先生に、触れてみた。


先生以外
誰も居なかった。



(冷たいんじゃなくって


 あたたかい?)
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