俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?

(え? 何これ。どういうこと?)

 ベアトリスは必死に頭を回転させる。
 ちょっとこの状況に理解が追いつかない。
 婚約破棄される理由はもちろんのこと、どうして今こんな場所で宣言されたのかもわからない。

(もしかして、前から婚約破棄したかったのかしら?)

 今まで全く気付かなくかったけれど、そういうこと? それは気付かずに、申し訳なかったと思う。
 しかし、なぜ目の前のこの男は、わざわざ王宮舞踏会の会場でこんなことを宣言しているのだろうか。王室主催の舞踏会でこんな騒ぎを起こしたら、不敬と捉えられてもおかしくない。

(まずはこの場を離れるべきね)

 ベアトリスは瞬時にそう判断すると、務めて冷静にブルーノに話しかける。

「ブルーノ様。少し外に行かれませんか?」
「行かない。そんな風に媚びても無駄だ!」

(せっかく誘ってあげたのに!)

 媚びているのではなくて、穏便にことを済ませようとしているのだ。
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