俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?
「そんなに俺を待ちわびていたのか? 昼間も押しかけてくるくらいだし」
「だからそれ、違いますって!」
ベアトリスは叫ぶ。
「わかっている。冗談で言っただけだ」
アルフレッドは耳に手をあて、うるさいと言いたげな顔をする。
今日の昼間、ちょっとした事件が発生した。
『誰だ』
そう言って密室の奥から男が現れたとき、さすがのベアトリスも焦った。
密室で男とふたりきり。こんな現場を押されられたら、何もなくても何かがあったと誤認されて文句は言えない。
『ちょっと、開けて! 助けて!』
『俺の子猫は、少し黙れないのか?』
『え?』
ベアトリスは恐る恐る後ろを振り返る。
『ジャン団長!? なんで!』
『なんでも何も、ここは俺が使っている部屋のひとつだ』