俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?
「黙れ」
一言だけ、地を這うような低い声がした。
「俺がいつ、お前が俺に話しかける許可を与えた」
「……っ!」
ローラの顔色がさっと青くなる。
「コールマン卿」
男はローラからブルーノへと視線を移動させる。
「はい」
「その煩い女はお前の連れだな? しっかりと教育をしろ。以後、俺のものを侮辱したら次はないと思え」
「申し訳ございません。ローラ、来るんだ」
ブルーノは慌てたように、ローラの腕を引く。
「嫌よ。わたくしは殿下の目を覚まして差し上げようと──」
「いいからっ!」
駄々を捏ねるローラをブルーノは一喝すると、半ば無理矢理にその場から連れ出す。
ベアトリスは茫然とその後姿を見送る。そして、恐る恐る隣に立つ男を窺い見た。