契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
さっきの口ぶりだとすでに何度か亜美には頼んでいたようだから、彼女がここで断ったとしても、まだしつこくされるだろう。
ここできっぱりと望みはないと言っておくべきだ。
「だけど今回結構な金額なんだ」
男性社員が不満そうに口を開いた。
「いつもはちゃんとやってるんだから今回くらい大目に見てくれてもいいだろう」
「あなたからしたら今回くらいですけど、私たち経理課は何千人という社員を相手に仕事をしているのです。個別個別に対応していては業務が進まないしミスも発生します。それに"今回だけ"が許されたら、あなたはまた同じことが許されると思ってしまうのではないですか?」
冷静に理論的な言葉で楓は彼に意見する。
男性社員が不快そうに顔を歪めた。
「あのねぇ、俺たちは君たちよりも会社にとって大事な仕事をしてるんだよ? それを……!」
でもそこで。
「おい、もうやめとけって、無駄だって。ほら彼女、噂の……」
気色ばみ、暴言を吐きかける同僚をもうひとりの社員が慌てて止める。男性社員が彼を見て口を閉じた。
『噂の』の部分で、同僚がなにを言いたいのかがわかったようだ。
「ああ、鉄の女か」と吐き捨てるように言う。
「わかったよ、もう頼まないよ。失礼しました!」
やや投げやりに言って去っていった。
ここできっぱりと望みはないと言っておくべきだ。
「だけど今回結構な金額なんだ」
男性社員が不満そうに口を開いた。
「いつもはちゃんとやってるんだから今回くらい大目に見てくれてもいいだろう」
「あなたからしたら今回くらいですけど、私たち経理課は何千人という社員を相手に仕事をしているのです。個別個別に対応していては業務が進まないしミスも発生します。それに"今回だけ"が許されたら、あなたはまた同じことが許されると思ってしまうのではないですか?」
冷静に理論的な言葉で楓は彼に意見する。
男性社員が不快そうに顔を歪めた。
「あのねぇ、俺たちは君たちよりも会社にとって大事な仕事をしてるんだよ? それを……!」
でもそこで。
「おい、もうやめとけって、無駄だって。ほら彼女、噂の……」
気色ばみ、暴言を吐きかける同僚をもうひとりの社員が慌てて止める。男性社員が彼を見て口を閉じた。
『噂の』の部分で、同僚がなにを言いたいのかがわかったようだ。
「ああ、鉄の女か」と吐き捨てるように言う。
「わかったよ、もう頼まないよ。失礼しました!」
やや投げやりに言って去っていった。