契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
今度は和樹が問いかけた。この後の和樹の予定は、昼食をはさみ出先へ向かうというものだ。
同行する秘書は彼女だが、出発までは時間がある。
黒柳が口を開く。
「午後に副社長が向かわれる先の近くにこの前のパーティでお話しになられていたオーナーのレストランがございます。せっかくですから、そこでランチを取られてはどうかと思いまして」
なるほどそうすれば次にパーティでオーナーと顔を合わせた時のやり取りがスムーズにいくというわけだ。
和樹としてはありがたい提案だ。
とはいえ、その奥にある彼女の真意に気がつかないほど馬鹿ではない。彼女を車に残し、自分だけがレストランで食事をするなどということは普段の和樹の振る舞いからはありえない。
すなわち一緒にランチを取ろうという誘いだ。
「海が見えるので評判のレストランだそうですから、副社長のリフレッシュにもなるんじゃないかと思いまして。予約が取れないので有名なレストランですが副社長の名前を出せばなんとかしていただけるでしょう」
そう言って彼女はゆっくりと和樹に歩み寄り、互いの香りを感じるくらい近くまできて足を止めて微笑んだ。
上司と部下の距離としては、近すぎる。
だけどべつにどうということはない、と和樹は思う。
出先で部下とランチを共にすることなど、海外ではしょっちゅうだった。
むしろ、部下とのコミュニケーションを取るいい機会でもある。
それはあからさまな好意を示す相手とて同じこと。
むしろそういう相手をのらりくらりかわすのにランチは有効な手段だった。
和樹には、それくらいのテクニックはある。
同行する秘書は彼女だが、出発までは時間がある。
黒柳が口を開く。
「午後に副社長が向かわれる先の近くにこの前のパーティでお話しになられていたオーナーのレストランがございます。せっかくですから、そこでランチを取られてはどうかと思いまして」
なるほどそうすれば次にパーティでオーナーと顔を合わせた時のやり取りがスムーズにいくというわけだ。
和樹としてはありがたい提案だ。
とはいえ、その奥にある彼女の真意に気がつかないほど馬鹿ではない。彼女を車に残し、自分だけがレストランで食事をするなどということは普段の和樹の振る舞いからはありえない。
すなわち一緒にランチを取ろうという誘いだ。
「海が見えるので評判のレストランだそうですから、副社長のリフレッシュにもなるんじゃないかと思いまして。予約が取れないので有名なレストランですが副社長の名前を出せばなんとかしていただけるでしょう」
そう言って彼女はゆっくりと和樹に歩み寄り、互いの香りを感じるくらい近くまできて足を止めて微笑んだ。
上司と部下の距離としては、近すぎる。
だけどべつにどうということはない、と和樹は思う。
出先で部下とランチを共にすることなど、海外ではしょっちゅうだった。
むしろ、部下とのコミュニケーションを取るいい機会でもある。
それはあからさまな好意を示す相手とて同じこと。
むしろそういう相手をのらりくらりかわすのにランチは有効な手段だった。
和樹には、それくらいのテクニックはある。