契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
ピーと炊飯器が鳴ってご飯が炊けたことを知らせる。
楓がカレー皿を出していると、スーツから普段着に着替えた和樹が階段を下りてきた。
「ちょっと出てくる」
そのまま玄関へ向かおうとする彼を不思議に思って、楓は呼び止めた。
「今からお仕事ですか?」
「いや、夕食を買いに行く。今日は妻と食べるという設定だから、途中どこへも寄れなかったんだ」
家で食事をしない彼は食材を家に置いていない。
どこかでテイクアウトするのだろう。
答えてまたこちらに背を向ける彼を楓は思わず呼び止めた。
「あの! よかったら……カレー食べますか? 私が作ったのでよければ、ですけど……」
言ってから、しまったと楓は思う。プライベートは互いにかかわらないというルールを明らかに逸脱する行動だ。
振り返った和樹も意外そうにこちらを見ている。
慌てて楓は言い訳をするように付け足した。
「あの……その、ケーキのお礼に……」
「いや……。だが俺は君にプライベートでは妻の役割を要求しないと約束したから……」
ためらいながら和樹は言う。
その、完全なる拒否というわけではない答えに、楓はもう一度繰り返す。
「妻だから言っているわけではありません。ケ、ケーキのお礼です……」
その言葉で彼も納得したようだ。
「ケーキのお礼か。なら……いただこうかな」
そしてキッチンにやってくる。ふたりしてどこかぎくしゃくしながら、カレーの準備をする。
スプーンを二本引き出しから出しながら、和樹が口を開いた。
「君の服装のことだが……」
そう言われて楓は「あ」と声をあげて彼を見た。今は部屋着でノーメイク、髪も料理しやすいよう無造作なお団子だ。
声をあげた楓を少し驚いて見る和樹に向かって言い訳をする。
「あの……。これは家に帰ったからメイクを落としたんです。会社ではちゃんと……」
「わかってるよ」
和樹がフッと笑った。
「頑張ってるみたいだな。今日一ノ瀬から報告があった。評判がいいみたいだ」
「本当ですか? よかったぁ……」
彼から出た『評判がいい』という言葉に、楓は胸をなでおろす。有能な一ノ瀬からの報告なら確かな情報だ。
楓がカレー皿を出していると、スーツから普段着に着替えた和樹が階段を下りてきた。
「ちょっと出てくる」
そのまま玄関へ向かおうとする彼を不思議に思って、楓は呼び止めた。
「今からお仕事ですか?」
「いや、夕食を買いに行く。今日は妻と食べるという設定だから、途中どこへも寄れなかったんだ」
家で食事をしない彼は食材を家に置いていない。
どこかでテイクアウトするのだろう。
答えてまたこちらに背を向ける彼を楓は思わず呼び止めた。
「あの! よかったら……カレー食べますか? 私が作ったのでよければ、ですけど……」
言ってから、しまったと楓は思う。プライベートは互いにかかわらないというルールを明らかに逸脱する行動だ。
振り返った和樹も意外そうにこちらを見ている。
慌てて楓は言い訳をするように付け足した。
「あの……その、ケーキのお礼に……」
「いや……。だが俺は君にプライベートでは妻の役割を要求しないと約束したから……」
ためらいながら和樹は言う。
その、完全なる拒否というわけではない答えに、楓はもう一度繰り返す。
「妻だから言っているわけではありません。ケ、ケーキのお礼です……」
その言葉で彼も納得したようだ。
「ケーキのお礼か。なら……いただこうかな」
そしてキッチンにやってくる。ふたりしてどこかぎくしゃくしながら、カレーの準備をする。
スプーンを二本引き出しから出しながら、和樹が口を開いた。
「君の服装のことだが……」
そう言われて楓は「あ」と声をあげて彼を見た。今は部屋着でノーメイク、髪も料理しやすいよう無造作なお団子だ。
声をあげた楓を少し驚いて見る和樹に向かって言い訳をする。
「あの……。これは家に帰ったからメイクを落としたんです。会社ではちゃんと……」
「わかってるよ」
和樹がフッと笑った。
「頑張ってるみたいだな。今日一ノ瀬から報告があった。評判がいいみたいだ」
「本当ですか? よかったぁ……」
彼から出た『評判がいい』という言葉に、楓は胸をなでおろす。有能な一ノ瀬からの報告なら確かな情報だ。