エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける

 だけど、今の彼はひとりぼっちじゃない。私も胡桃もいるし、静岡に帰れば、叔父と叔母は彼のことも家族として温かく迎えてくれる。

 私はキッチンを出て行くと、彼の隣に膝をついていつもより小さく見えるその体をギュッと抱きしめた。

「あなたの家族は、ここにいます」

 うれしい時も悲しい時も、こうして心を分け合える家族。瑛貴さんが欲しかったものは、サンタクロースに願うまでもなく、ここにある。

 瑛貴さんは目を閉じて私に身を委ね、しばらくじっとしていた。

「……ありがとう、亜椰。今、とても懐かしい気持ちになったよ」

 瑛貴さんが、噛みしめるようにゆっくりとそう言った。

 腕をほどいて彼の顔を覗くと、瑛貴さんの優しい眼差しが私を見つめる。

「初めてきみに恋をした、あの日を思い出した。あれからずっと紡いできたきみへの想いがこんな風に実るなんて、本当に幸せだ」
「私もです」

 彼を見つめ返し、同じ気持ちだと伝える。瑛貴さんがそっと私の顔に手を添えて引き寄せ、触れるだけのキスを落とした。

 重ねた唇から伝わる深い愛情に、心が甘く痺れる。


「愛してる」


 熱のこもった声に囁かれ、また引き合うように唇を合わせた。

 ままごとから始まった私たちの初恋は、この先も永遠に終わらない。





 FIN

< 155 / 155 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:544

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ひとりぼっちの上司と私
  • 書籍化作品

総文字数/112,829

恋愛(オフィスラブ)205ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
窮屈な地元を飛び出して 憧れの東京で転職したものの キラキラした生活に夢見ていられたのは最初だけ。 今や会社では存在感を消して過ごし 真っすぐ帰宅してゲームに救いを求める毎日。 だから、ゲームで親しくしている 〝ヤスダさん〟とのオフ会が楽しみだった。 …はずなのだけれど。 待ち合わせ場所に現れたのは なぜか会社で恐れている鬼上司。 「あの、ヤスダさん……ですか?」 「ということは、加納がユリコさん……?」 最悪の居たたまれない空気。 でも、この夜を境に、 私たちのささやかな交流が始まった。 ============== カプセルトイメーカー タイニーポケット 取締役兼営業本部長 須田賢哉 (32) × 商品企画部 社員 加納莉々 (25) ============== 2026.8.6~2026.8.17 ※ベリーズ文庫with9月刊にて発売予定の作品 改稿前のものになります。
完璧な婚約者と迎える、自堕落な朝

総文字数/6,452

恋愛(純愛)1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「フェチ」コンテスト参加作品です。 2026.7.15 公開&完結
愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
  • 書籍化作品

総文字数/88,614

恋愛(純愛)150ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
愛のない家庭で育った私は、 恋愛や結婚とは縁がなかった。 手に職をつけたくてCAになり、 仕事だけを生きがいにここまで頑張ってきた。 そんな自分の人生に不満なんてない。 このまま死ぬまで独りで歩いていくのだ。 ――そう、思っていたはずが。 「お前、俺と結婚しないか?」 どうして私が大嫌いな俺様パイロットと 結婚することに――!? ==✈Sky East AirLine✈== 俺様・毒舌・くせ者 副操縦士 深澄知隼 (32) × 強情・意地っ張り・甘え下手 CA 七里綺美 (25) ============== 2026.6.5~6.12 ※ベリーズ文庫『俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘くとらえて逃がさない』のスピンオフ的な側面もありますが、単体でもお楽しみいただけます。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop