エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける

 返答に詰まる私を見かねて、叔母さんがバシッと叔父さんの肩を叩いた。

 麻人さんのことが大のお気に入りである叔父さんは、時折こういう冗談を口にする。

 とくにお酒が入るとその傾向が顕著に表れ、その度に私も麻人さんも苦笑いしてやり過ごす。幸い胡桃には意味が通じておらず、大好きな枝豆を鞘から取り出すのに夢中だ。

「仕方ないだろう、麻人くんが本当に気持ちのいい好青年なんだから。しかも次男だし」
「あははっ。長男だと自分の家を継がなきゃならないですもんね。でも、亜椰ちゃんにだって好みがあるだろうし……なぁ?」
「えっ? 好み……ですか?」

 麻人さんから突然話を振られ、あたふたしてしまう。瑛貴さんの姿を無意識に思い浮かべてしまったからだ。

「そういや、こないだ高級外車に乗ってた都会の人はすっげーイケメンでしたね。この辺りの田園風景とは全くミスマッチでしたけど」

 麻人さんのおかげで私から注意がそれたので、ホッと胸を撫で下ろす。

 それにしても、高級外車に乗った男性がこの辺りに来るなんて珍しい。近所で目にするのは小回りの利く軽自動車やトラック、トラクターやコンバインばかりだから。

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