敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
「脳は案外、体や外からの刺激に騙されやすいんだな。だから七緒も笑え」
聖は唐突に手を伸ばして、七緒の口角を人差し指で強引に持ち上げた。
「なっ、なにするんですか……!」
「七緒を笑わせてる」
「そんな無理やり指でやったって」
「いやいや、これが効果抜群なんだって」
と言いながら聖が七緒の顔を見てぷっと噴き出す。
「効果があるのは私じゃなくて聖さんにじゃないですか?」
「まぁそうだな。でもこれでお互いに笑顔の効果でドーパミンがドバドバ抽出されただろう」
「ドバドバって」
七緒もついクスッと笑う。
「ほら、な? 楽しくなってきただろう?」
「もうっ」
してやったりの顔をした聖の胸をトンと軽く叩いたら、その手を彼に取られた。ドキッとして彼を見る。