敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

「なんだ、もうお腹が空いたのか?」
「空きませんけど、ほかに見当もつかないので」
「まぁいいから、七緒は不安がらずに乗っていればいいから」


聖が楽しげにニコニコ笑う。いくら突っ込んで聞いても、のらりくらりとかわしておしまい。そうこうしているうちに車が高い建物の地下へ吸い込まれていく。


「ここは?」
「俺の友人のマンション」
「聖さんのお友達の?」


そんなところにどんな用事があるのか余計にわからなくなり、頭の中にクエスチョンマークが飛び交う。

停車した車から降ろされ、早足の彼の後を急いでついていく。

聖のマンションの駐車場と同じように高級車が何台も止まっていた。聖の友人と聞けばなんとなく想像はつくが、ここもアッパークラスが住むエグゼクティブマンションだろう。

七緒のその想像が正しいのはすぐに判明した。駐車場からエレベーターで上がった一階はレッドカーペットが敷かれ、どこからともなく水のせせらぎが聞こえてくる。コンシェルジュがいるのはもちろん、聖のマンション同様に豪華なエントランスロビーだった。
< 160 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop