敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
セキュリティゲートの前でインターフォンを押すと、ほどなくして相手が応答。
『なんでうちに来るんだよ。俺、夜勤だったんだぞ』
不機嫌そうな男性の声に怯まずにはいられない。
「まぁそう言うなって。もう来てるか?」
『一時間も前からスタンバイしてる。仕方ないから上がってこい』
ゲートが開錠される音がして、ゆっくりと開く。
「行こう」
背中に聖の手を添えられ、ゲートをくぐる。その先も三カ所の厳重なセキュリティを抜け、エレベーターで三十五階まで上がった。
扉が開いた先にある窓の向こうに見晴らしのいい眺望が広がる。天気にも恵まれたため、遠くに富士山も見えた。
すごいと見惚れている間もなく、聖に「おいで」と呼ばれて後を追う。突き当りのドアの前で立ち止まると同時に、中から扉が開かれた。
「聖さん、おはよう」