敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

「七緒さん、初めまして。私は聖の祖父で利幸(としゆき)と申します」
「は、はじめまして、久世七緒です」


手を膝の上に揃えて頭をぺこりと下げる。


「利幸さんは高校時代の同級生なのよ」


なんと、聖の祖父と同級生ときた。

ふたりによれば利幸は同窓会にも顔を出さずにいたため、もう何十年も連絡を取り合っていなかったが、つい二週間前に再会したそうだ。それも利幸が院長を務める『加賀谷医療センター』で。

孝枝はこのところ血圧が高く、定期的に通院していた。そこが同級生の経営する病院なのは知っていたが、診察を終えて会計を待っているときにたまたま通りがかった彼に声を掛けられたのだと。
それをきっかけに食事する機会を設け、久しぶりの再会を楽しんだらしい。

その席で互いの孫の話になり、お見合いをさせようじゃないかと意気投合。今日に繋がったとうれしそうにふたりが話してくれた。

聖もその病院で働く医師で、将来は加賀谷医療センターを背負って立つ次期院長だそうだ。
< 17 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop