敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
高校時代の六つの歳の差は大きい。お互いに大人になった今、雪菜のような美女から好意を示されたら男性の大半はコロッといくだろう。
そしてたぶん、聖も。
そう考えたら、なぜか胸の奥がチクンと痛んだ。
「さて、完成っと。どうかな?」
話しているうちにあっという間にヘアメイクが完成する。
陶器のような滑らかな肌をパーツごとにラメ入りで華やかに仕上げた上品メイク。軽くカールした髪は胸元で揺れ、ハーフアップにまとめた部分から計算しつくされた後れ毛が出ていて妙に色っぽい。
鏡に映ったのは見知らぬ女性だった。こんな自分を七緒は見たことがない。
「すごく綺麗……」
自分を絶賛する恥ずかしさが、遥か彼方に飛ばされていく。時間を忘れて鏡の自分に見惚れる。
「七緒さん、ベースが美人さんだから、ちょっと手を加えるだけで済んじゃった」
「美人だなんて。……でも本当にすごい」