敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
七緒は一人っ子のため、兄弟姉妹の感覚は想像ができない。
「聖さんって豪快で物事をあまり深く考えない強引なタイプだけど、すごく優しいでしょう」
「そうですね」
まさに雪菜の言う通り。人を巻き込んでひたすら前に突き進むが、性根の優しさですべてをカバー。強引さを許したくなる不思議な人だ。
「じつは私、高校生のとき聖さんが好きだったの」
「えっ」
思いがけない告白に目が丸くなる。鏡の中で雪菜と目が合った。
「あ、私が一方的にね。といっても高校生のときだから淡い恋心だったな。聖さんは全然脈なしだったけど」
雪菜が肩をすくめておどける。
「今はなんとも思ってないから心配しないでね。もう十年以上も前の話だし、今はただの友人だから」