敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

マンションに到着し、車を降りてエントランスロビーを急ぎ足で通過する。コンシェルジュが七緒たちの惨状に驚いて駆け寄り、「すぐにタオルをお持ちします」と慌てたが、「部屋に帰れば大丈夫ですから」と聖が笑顔で返した。


「七緒はまずお風呂に入っておいで。もうお湯もたまってるはずだ」
「えっ、いつの間に?」


今帰ったばかりで準備している時間なんてなかったはず。


「さっき車に乗る直前にこれで操作しただけ」


聖はスマートフォンを取り出してかざした。
エグゼクティブクラスの住むマンションであれば、出先からスマートフォンひとつで自在なのも当然かもしれない。


「じゃ聖さんから先にどうぞ」


聖は明日仕事が控えているから体調を崩すわけにはいかない。患者が待っている。


「俺はこう見えてレディーファーストなんだ」
「そうでした?」
「コラコラ」
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