敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
火照っていた頬をさらに熱くさせながら、楽しげに口角を上げる聖の背中をバスルームに向かって押した。
「なら、七緒もおいで」
七緒の手を取って引っ張る。
「私はもう入りましたからっ」
「そうじゃない。俺が入っているうちに髪を乾かせって意味」
なるほど。ではそうさせてもらおうと、抵抗して踏ん張った足から力を抜く。聖の後に続いてパウダールームに舞い戻った。
七緒が引き出しからドライヤーを出しているうちに着ているものを脱ぎ去った聖の背中が、大きな鏡に映り込む。ほどよく引き締まった筋肉質の体にドクンと心臓が音を立てるからたまらない。
「髪が乾いたら、俺の部屋で待ってて」
「は、はい……」
彼の部屋、すなわち寝室だ。