敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
それじゃ恵麻の目的はなんなのだろう。
スマートフォンを握りしめたまま呆然と突っ立っていたら、突然後ろから伸びてきた手にふわりと抱きしめられた。
「――っひ、じりさん」
驚いた弾みで息を飲み込み、なんとか名前を呼ぶ。玄関が開いた音にも彼の足音にも気づかなかった。
「ただいま」
頭頂部にキスをひとつ落として七緒を振り向かせ、立て続けに唇も重ねる。
「おかえりなさい」
「そんなに夢中になってなに見てた? 今夜のメニューのレシピ? あ、七緒にそんなものは必要ないか」
肩に手を置いたまま聖がスマートフォンを覗き込む。
とっさに画面を裏返したものの、たしかめずにはいられない。
「恵麻ちゃんに会いましたか?」