敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

『大丈夫ですよ。ネイルサロンを予約しているので、あまり時間は取れないんですけど』


ネイルサロン近くのカフェで待ち合わせをして通話を切る。地図アプリで調べ、タクシーを飛ばした。


待ち合わせたカフェに到着すると、先に着いていた恵麻は窓際のテーブルでスマートフォンをいじっていた。向かいの席に座った七緒に気づき、カバーを閉じて笑みを浮かべる。

つい先ほど電話で話したとき同様、悪びれたところは微塵もない。強靭な精神の持ち主なのは尊敬に値する。


「急に呼び出してごめんね」
「いえ、私も七緒さんとお話ししたかったので」


店員にジャスミンティーを注文して、早速本題に入る。


「唯斗くんと別れたんだってね」
「七緒さん、耳がはやーい」


マスカラをたっぷりつけた大きな目をパチッとさせて恵麻が驚く。まつ毛がムカデの足のように見えるのは、彼女への嫌悪感のせいだろう。
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