敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

「もちろんです。七緒さんには今さらかわいこぶっても仕方ないので白状しますけど、私、小さい頃からいつも一番だったんです。だから、周りにいる人が私より目立つのが許せなくて」


唯斗が話していたことは真実のようだ。
恵麻は自慢げにこれまでの栄光を語りはじめた。中学高校と、クラス中の男子が自分を好きだった、塾に通えば講師まで夢中にさせ、大学ではミスキャンパスに選ばれたのだと。


「だから料理教室で、生徒からチヤホヤされる七緒さんが疎ましかった」
「え?」


チヤホヤされていた自覚はない。たしかに男性の生徒もいたが、講師のため生徒たちから話しかけられる頻度が高いのは当然。


「それでね、グランビューレの上の人に〝久世先生は生徒さんに色目を使ってて見苦しいから辞めさせてください〟って忠告しようと思ったんです。でも唯斗さんに話したら、そんなことはやめろって言われて」
「ちょっと、なにそれ……」


そんな話は唯斗から聞いていない。
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