あざと女子の恋の歌はあざとくない。


「え……」

「だってぇ、当然でしょ?あたしたち付き合ってるし〜」

「……ええっ!?」


ギョッとした目であたしを見る緋色に寄りかかり、腕を絡ませる。

チャラ男たちは呆気にとられた表情であたしたちを見ていた。


「てか知らないの〜?かるたって今でもやるし、伝統的なスポーツだけど〜??
今どき知らないとかダサくない?」

「ハアっ!?」


チャラ男はカアッと顔を真っ赤にしていた。
マジでダサいなこいつ。

なんか頑張ってイケメンになろうとしてるけど、性格の悪さが滲み出ているせいかブ男に見えて仕方ない。


「言っとくけど、緋色はかるたの高校生チャンピオンでいずれは名人になるのよ。
あんたみたいなチャラチャラしてるだけの男とは違うんだから」

「な……っ」


あんたなんかに、バカにされる筋合はない。
早くどこかに消えて欲しい。


「さっきからなんなんだよテメェら!
人のことコケにしやがって…っ」


そいつは土足でレジャーシートの上を踏み付け、こちらに迫ってきた。
思わずあたしも緋色も立ち上がる。

後ずさりたいのを堪え、強気に睨み付けた。


「入って来ないでよ!」

「この席、オレらがもらうわ。お前らどっか消えろよ」


な、何言ってんの!?


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