あざと女子の恋の歌はあざとくない。
「というわけで、出て行ってもらえますか?」
「つーか土足で入るなよ」
「クソ……っ」
はーー、やっぱり九竜くんも黄瀬くんもカッコイイわ。
これぞ本当のイケメンって感じ!
なんかこいつ、可哀想になってきたわ……。
「ヤバい!二人ともイケメンすぎる…!」
「ねぇねぇ、名前教えて〜」
そしてこんな状況でこのメスども、乗り換えようとしてんだけど!
図々しいにも程があるだろ!!
「あら、私の『彼氏』に何か用?」
そこへ桃のんがものすごくいい笑顔で現れる。
「彼氏」を強調させ、黄瀬くんの腕に抱きつく。
美人だからこそ、迫力がすごい。
桃のんの笑顔が逆に圧力を与え、チャラ男含めたそのグループは逃げるように去っていった。
ざまあみろ。
「翠夏ちゃん、緋色くん大丈夫?
うぱおも無事だったよ〜」
奴らがいなくなってから、咲玖ちゃんはうぱおのぬいぐるみを抱きしめ、パタパタとこちらにやって来た。
どうやらうぱおはレジャーシートの外に転がされていたらしい。
悪いけど、気づかなかったわ。
「二人が無事でよかった」
「ううん、みんなありがとう…」
「ありがとう…」