あざと女子の恋の歌はあざとくない。


「というわけで、出て行ってもらえますか?」

「つーか土足で入るなよ」

「クソ……っ」


はーー、やっぱり九竜くんも黄瀬くんもカッコイイわ。
これぞ本当のイケメンって感じ!

なんかこいつ、可哀想になってきたわ……。


「ヤバい!二人ともイケメンすぎる…!」
「ねぇねぇ、名前教えて〜」


そしてこんな状況でこのメスども、乗り換えようとしてんだけど!
図々しいにも程があるだろ!!


「あら、私の『彼氏』に何か用?」


そこへ桃のんがものすごくいい笑顔で現れる。
「彼氏」を強調させ、黄瀬くんの腕に抱きつく。

美人だからこそ、迫力がすごい。

桃のんの笑顔が逆に圧力を与え、チャラ男含めたそのグループは逃げるように去っていった。
ざまあみろ。


「翠夏ちゃん、緋色くん大丈夫?
うぱおも無事だったよ〜」


奴らがいなくなってから、咲玖ちゃんはうぱおのぬいぐるみを抱きしめ、パタパタとこちらにやって来た。
どうやらうぱおはレジャーシートの外に転がされていたらしい。

悪いけど、気づかなかったわ。


「二人が無事でよかった」

「ううん、みんなありがとう…」

「ありがとう…」


< 17 / 25 >

この作品をシェア

pagetop