あざと女子の恋の歌はあざとくない。
本当にみんなが来てくれて助かった。
そしてこのメンバーが顔面偏差値高くてよかった。
「華村、本当にごめん」
緋色があたしに対して頭を下げた。
「なんであんたが謝るの?」
「俺のせいであんなことに…しかも全然言い返せなくて……。
庇ってくれて、ありがとう」
「…別に、あんたのためじゃないわよ。
悔しかったんだもん、かるたのことバカにされて」
――あれ?
目にゴミでも入ったのかな?
「…っ、うう……っ」
急に涙が溢れてきた――。
「華村…」
「だって、くやしかったんだもん〜〜…っ」
緋色のことバカにされたことも悔しいけど、それ以上にかるたのことバカにされたのが悔しかった。
あたし、いつの間にかかるたのこと、好きになってたんだ……。
バカにされて悔しいって思うくらい、かるたのことも好きになってたんだ。
「……ごめん」
そう言って緋色は、あたしにハンカチを差し出してきた。
こういう時は、優しく抱き寄せるとか頭撫でるとかしなさいよ……!
申し訳なさそうに俯いてんじゃないわよ。
だけど、あの時言ってくれた言葉は、本当に嬉しかった。
「華村には手を出すな……!!」
守ってくれたことが、本当に嬉しかったの。