年下男子は天邪鬼
俺は「なんですか?」と問い掛ける。

「ちょっと意地悪な質問していいか?」

安斉さんは真剣な表情で聞いてきた。

俺はよく分からず「はい」と答える。

「依子さんを好きになるのはいいが、
宮城は付き合った先のことを考えているのか?」

「え?」

「依子さんの年齢も考えて、
いずれ結婚の意思はあるのかって
聞いてんだけど?」

「それは..」

正直、答えが出ないまま嫉妬にかられて
突っ走ってしまった。
結婚はいずれしたいとは考えてるがはっきりといつとか答えられない...
3年後とか、5年後とか..そんな甘い考えだ..
だけどもし5年後にやっと決心が固まったとして、依子は35歳だ。
それまで待たせて良いのだろうか...
きっと5年の間、依子を不安にさせてしまうだろう..

俺が言葉を詰まらせていると
「時間切れだな。
そんなんじゃ、安心して依子さんを
譲ることはできない。譲りたくない。」
安斉さんはキッパリと言い切った。

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