目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました

きっと峰崎くんにとっても長い一日になっちゃったんだろうな。


私のお母さんから電話をもらって病院に駆けつけてみたら、私がこんな状態になってるし……


「ええっと、どこまで話したっけ? そうだ、傘だ、傘。傘を拾ったんだ。それが話すきっかけ。あと、制服のスカートがずぶ濡れになっちゃってたから、俺の部活用タオルを貸したんだよ」

「わっ、ジェントルマンだ」

「7年前と同じこと言ってる。タオルぐらいのことで、『峰崎くん、紳士だあ』って見つめてくるから焦ったなー」


うわー。記憶を失っていても、そのときの自分の様子が目に浮かぶ。


「付き合い始めてからユカコに話したんだけど、あのときにはもう好きだったから、ドキドキだったよ」


えっ、今さらっとスゴいこと言わなかった?


「タオルは後日洗って返してくれたんだけど、それにお礼のメッセージカードとお菓子もついてた。お菓子は流石に食べたけど、タオルはずっと使えなかったなー」

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