運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
「ねえ、私達が桂くんの面倒を見たらダメ?さくらちゃんの都合の良い日でいいの。万が一グズっても同じホテルだから困らないし」
「……」

 突然の申し出に、さくらだけでなく怜も驚いている。だが、さくらとの二人の時間は願ってもないチャンスだ。

「さくら、定休日の前夜でいいがダメか?」
「ダメとかじゃなく、人に預けることが今までなかったので……」
「もし、桂が泣き止まないときは、すぐに迎えに行けばいい」
「じゃあ、明後日が定休日なので、明日の夜でよければ」
「本当!ありがとう」

 こうして再会後、初めて二人での時間を過ごす機会がやってきた。

 怜は、今後のことを話し合うチャンスとばかりに、気持ちが焦る。

 両親も、息子に似た孫に、すでにメロメロだ。明日の夜が楽しみで仕方ない。

 
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