運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜

溺愛の日々

 祖父も認めてくれ、二人は籍を入れて晴れて夫婦となった。二年以上の月日を越えて、本来の幸せを手に入れた。

 結局、世間に公表するのは、もう少し先にした。騒がれても、今は東京と沖縄を行き来する怜には、二人とずっと一緒にいることが出来ず、不安がつき纏うことになる。

 神楽坂リゾートは、さくらの『雪』の一言から、沖縄の地に屋内の人工スキー場とスケートリンクの建設を決めた。一気にリゾートの全貌が決まり、動き出した。

 一ヶ月の予定で視察に来ていた怜は、一ヶ月を少し過ぎ一度東京に戻った。

 陽、両親、祖父に認められ、籍を入れたことで、さくらと桂をやっと手に入れることが出来たのだ。

 離れたくはないが、神楽坂だけでなく二人の人生を背負う責任が加わり、より一層気が引き締まる。

 神楽坂リゾート内に別荘が出来るまで、ホテルに滞在だと落ち着かない。二人との時間を大切にしたいと彩葉の店の近くに売りに出ていたリゾートマンションを買った。

 怜が沖縄にいない間は、さくらは今まで通り店の裏に住み、怜が沖縄滞在中は怜が購入したマンションで過ごす。



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