運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
「もっと……」
「さくら反則……」

 耐えていた怜が、さくらの言葉で動き出す。肌と肌のぶつかり合う音と濡れた音が室内に響く。

「さくら愛してる」

 怜の言葉と同時に二人が果てる。

「「ハァハァ」」

 二人の荒い息遣いと微かに聞こえる桂の寝息。

 一度で怜の欲が満たされるはずもなく、まだまださくらは愛される。

 いつものように、さくらは気絶するように、怜は満足して眠りにつくのだった……。

 冷酷王子は、最近は冷酷ではなくなり、王子は姫を溺愛する。

 愛情を手に入れた怜は、守る存在ができた。世間では、怜の変化が話題になるほどだ。

 公私共に充実している男は最強だ。
 
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