運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜

出産と結婚発表

 神楽坂リゾートの建設が着工してから、二年の年月が経った。

 すでに、怜の別荘は完成している。

 今も、東京と沖縄を頻繁に往復しているのだ。

 桂は、三歳を過ぎすっかり赤ちゃんではなくなり、成長している。怜が沖縄を離れている間、さくらを守ってくれている。

 怜が沖縄滞在中は、マンションか別荘で過ごす。怜と桂が二人で別荘で過ごすこともある。沖縄の限られた場所で過ごしているからか、まださくらと桂の存在はバレていないが、そろそろ限界だと感じる。

「さくら体調はどうだ?」
「大丈夫よ」

 そう、さくらのお腹の中には、怜の赤ちゃんがいる。7ヶ月のお腹は、はちきれんばかりだ。実は、お腹の赤ちゃんは双子なのだ。

 半年後に、レセプションパーティーが予定され、神楽坂リゾートの全貌が発表される。その時、さくらと桂の存在を世間に発表することが、さくらの妊娠前から決まっていた。さくらの妊娠が分かり、日程変更も検討されたが、大きなプロジェクトをずらすとなると、莫大な費用が掛かってしまう。
  
 神楽坂リゾートのグランドオープンが一年後と決まっているのだ。オープンから一ヶ月分の予約を受け付けたのだが、一瞬で満室になってしまった。


 
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