運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
 さくらが妊娠6ヶ月になった時に、ランチの営業は止めることにした。常連客もその方がいいと言ってくれたのだ。

 次に、さくらがカフェとランチの営業をするのは、出産後の神楽坂リゾート内になる。別荘のエリアにログハウス風のカフェがすでに建っている。

 常連客達も今から楽しみにしてくれている。

『ちゅらかーぎー彩』は、彩葉が店長として働いてくれる人材を雇い、今は、店を任せるまでに育てている。

 神楽坂リゾートの中に、二号店をオープンすることが正式に決まったのだ。

 さくらにとって彩葉は特別な存在だが、彩葉にとってもさくらに出会ったことで、新しい未来を歩むことになった。

「あやねえちゃん」
「何?」
「あかちゃんかわいい?」

 身近に赤ちゃんがいない桂が、彩葉に聞いている。さくらと彩葉に育てられたと言っても過言ではない桂は、彩葉が大好きなのだ。

「可愛いわよ。桂の赤ちゃんの時も、すっごく可愛かったわよ」
「たのしみ」
「私もよ。いっぱい可愛がってあげようね、お兄ちゃん」
「ヘヘッ。うん」
 


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