【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。
第十章 消えたシンデレラ
「好きな女性と結ばれたからって、午後から出勤だなんて。……恋を覚えたての高校生みたいな真似をしますね」
晴れ晴れとした表情で会社に姿を見せた俺に、開口一番、高城が痛烈な嫌味を投げてきた。
「妬むな、人の幸せを」
「妬みじゃなくて、スケジュール調整をしているこっちの身にもなってくださいって言ってるんですよ。……給料、上げてください」
「いいぞ、上げてやる」
さらりと告げると、高城は目を丸くし──次の瞬間、大輪の花のように笑顔を咲かせた。わかりやすい。
「さっすが社長! 実はこうなることを見込んで、すでにスケジュールは根回し済みでございます」
「……悪いな」
「なにをおっしゃいますか。社長の我儘に応えるのが、わたくしの務め。いくらでもイチャイチャなさってください」
給料の話を出した途端にこの変貌。
社長秘書としてこき使っているので、それなりの報酬は払っているはずだが……高城はとにかく金遣いが荒い。
「今の俺は最高に機嫌がいい! なんでもできる気がする。最強になった気分だ!」
社長室で思わず高笑いすると、高城がいそいそと大量の書類を抱えてきた。
晴れ晴れとした表情で会社に姿を見せた俺に、開口一番、高城が痛烈な嫌味を投げてきた。
「妬むな、人の幸せを」
「妬みじゃなくて、スケジュール調整をしているこっちの身にもなってくださいって言ってるんですよ。……給料、上げてください」
「いいぞ、上げてやる」
さらりと告げると、高城は目を丸くし──次の瞬間、大輪の花のように笑顔を咲かせた。わかりやすい。
「さっすが社長! 実はこうなることを見込んで、すでにスケジュールは根回し済みでございます」
「……悪いな」
「なにをおっしゃいますか。社長の我儘に応えるのが、わたくしの務め。いくらでもイチャイチャなさってください」
給料の話を出した途端にこの変貌。
社長秘書としてこき使っているので、それなりの報酬は払っているはずだが……高城はとにかく金遣いが荒い。
「今の俺は最高に機嫌がいい! なんでもできる気がする。最強になった気分だ!」
社長室で思わず高笑いすると、高城がいそいそと大量の書類を抱えてきた。