【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。
「その勢いで天下をとりましょう。事業規模拡大の参考資料です」

「……これ全部に目を通すのか?」

「最強の社長ならできます」

 キラリと目を光らせる高城。

「容赦ないな……」

「会社が大きくなれば、それだけ私の給料も上がりますからね。社長には馬車馬のように働いていただきますよ!」

 悪魔のような笑みを浮かべる高城に、若干呆れつつも──浮かれた気分のまま、俺は書類に目を通し始めた。

 今なら空でも飛べそうなほどの高揚感に包まれていた。

 とんでもない集中力で、いつもの倍以上の仕事をこなした俺は、早めに帰宅することにした。

社長なのだから、社員の倍は働いて当然──そう思っていたのは覚醒前の話だ。

 最強になった今の俺は、倍働いてもなお時間が余る。
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