【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。
跳ねるような足取りで家へと帰るのは、もちろん愛しい妻と過ごすためだ。

 脳内では、玄関で捺美を抱きしめ堪能している自分の姿が繰り返し再生される。

 ……さすがに現実でやったら引かれるだろうか。

 自分がこんなに性欲の強い男だったとは思わなかった。

できることなら一日中、捺美を抱いていたい。

けれど──彼女は初めてだったのだから、無理はさせられない。

 ……朝から第二ラウンドに持ち込んで遅刻させた俺が言う台詞じゃないが。

 そんなことを考えながら、捺美のために夕飯を作っていた。

 自分のためにすら料理をしたことがないのに──この変化には自分でも驚いている。

 外食も、デリバリーも好きだ。けれど手料理は不思議と楽しい。

なにより、捺美が喜んでくれるのが一番のご褒美だ。

「ただいま~」

 捺美の笑顔を想像していたら、もう本人が帰ってきた。

思わず玄関へ駆け出して迎える。
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