溺愛幼なじみは甘くて強引
「や、やっぱり帰るね!」

「え?どうして?」

「課題があるの忘れてた!」

「だから、今からやるんでしょ?」

「そうだった……!」


私のバカ。

何で別の理由にしなかったのー!


残念な鐘が「チーン」と聞こえて来そうな私に、理央が近づく。

そして切ったばかりの髪に手を伸ばし、


「よく似合ってる。可愛い」


なんて。振った相手に、とんでもない事を言い始めた。


「……っ!」


理央、なんなの?人の事を振っておいて。どうして、そんな甘い言葉を言うの。


理央の事が、全く分からないよ。


「うぅ〜……っ」

「え!?南月?どうしたの?」


いきなり泣いた私の頬に、素早くティッシュをあてる理央。


私を心配してくれる姿にもときめいちゃって……。

私いつから、こんなに「理央命」な女になったんだろう。
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