憧れのCEOは一途女子を愛でる
「倫治さん、こんにちは。ご無沙汰しています」
「久しぶりに会ってもイケメンは健在だなぁ。あ、これは俺の孫の冴実だ」
今起こっていることが本当に現実なのかわからなくて、椅子から腰を上げたものの、しばし呆然と立ち尽くしてしまった。
「社長……」
我に返って咄嗟に会釈をすると、その言葉を耳にした辰巳さんと祖父が、なにを驚いてるのだと言わんばかりに私に視線を寄こした。
「ジニアールの神谷社長……ですよね?」
最後に確認するように男性に問いかけてみたら、彼も驚いた様子でコクリとうなずいた。
やっぱりそうなのかと目をパチクリさせていると、祖父が私の腕をトントンと叩いて合図を送ってくる。
きちんとあいさつができていなかったことにハタと気付いて背筋を伸ばした。
「香椎 冴実です。おじい様にはいつも祖父がお世話になっております」
「神谷 朝陽です……って、さすがに知ってるか。こちらこそ倫治さんにはお世話になってます」
ジニアールの社長としてではなく、辰巳さんの孫としてあいさつをしてくれたのが私にはとても新鮮に感じた。今だけはまるっきり別人のようだ。
「冴実が朝陽くんの会社の社員だったとは! すごい偶然だな」
祖父も辰巳さんも本気で仰天しているので、全員この事実には気付いていなかったみたいだ。
「お互い孫の話をしても、会社や仕事のことまで詳しく話さんもんな」
「まさか朝陽くんとそんな接点があったなんて夢にも思わんかった」
祖父たちは笑みをたたえたまま顔を見合わせているが、私としてはなんとも居心地が悪い。
気まずくて、視線をどこに向けたらいいかわからなくなった。
「久しぶりに会ってもイケメンは健在だなぁ。あ、これは俺の孫の冴実だ」
今起こっていることが本当に現実なのかわからなくて、椅子から腰を上げたものの、しばし呆然と立ち尽くしてしまった。
「社長……」
我に返って咄嗟に会釈をすると、その言葉を耳にした辰巳さんと祖父が、なにを驚いてるのだと言わんばかりに私に視線を寄こした。
「ジニアールの神谷社長……ですよね?」
最後に確認するように男性に問いかけてみたら、彼も驚いた様子でコクリとうなずいた。
やっぱりそうなのかと目をパチクリさせていると、祖父が私の腕をトントンと叩いて合図を送ってくる。
きちんとあいさつができていなかったことにハタと気付いて背筋を伸ばした。
「香椎 冴実です。おじい様にはいつも祖父がお世話になっております」
「神谷 朝陽です……って、さすがに知ってるか。こちらこそ倫治さんにはお世話になってます」
ジニアールの社長としてではなく、辰巳さんの孫としてあいさつをしてくれたのが私にはとても新鮮に感じた。今だけはまるっきり別人のようだ。
「冴実が朝陽くんの会社の社員だったとは! すごい偶然だな」
祖父も辰巳さんも本気で仰天しているので、全員この事実には気付いていなかったみたいだ。
「お互い孫の話をしても、会社や仕事のことまで詳しく話さんもんな」
「まさか朝陽くんとそんな接点があったなんて夢にも思わんかった」
祖父たちは笑みをたたえたまま顔を見合わせているが、私としてはなんとも居心地が悪い。
気まずくて、視線をどこに向けたらいいかわからなくなった。