憧れのCEOは一途女子を愛でる
イケメンで落ち着きのある社長は、世の女性たちからアプローチが相当あるだろう。
だけど社長は誘いに乗って豪遊するタイプではないと伊地知部長から聞いたことがあるし、今は恋愛よりも仕事が楽しいのだと思う。
「それが、そうでもなさそうだぞ?」
「……なにが?」
「向こうはお前を気に入ったみたいだ」
意味がわからないとばかりに、グラスに口を付けたまま祖父に問うような視線だけを向けた。
社長がなにか誤解されているのだとしたら、私が今きちんと解いておいたほうがよさそうだ。
「どうしてそう思うの? 私と花野庵に行って抹茶あんみつを食べたから? おじいちゃんがふたりで行けって言ったんでしょ」
断ると角が立つから社長は了承してくれただけなのに、うがった見方をするのは失礼だ。
あの日のことは綺麗な思い出として私の心の中にしまっておきたいのだから、そっとしておいてほしい。
「いや……俺じゃなくて、たっちゃんが言ってる」
「え?」
「たっちゃんが朝陽くんの結婚相手を必死に捜してるのは知ってるだろ?」
それについては辰巳さんも言っていたし、社長も花野庵で煩わしそうな顔をして話していた。
辰巳さんが社長の結婚に関して相当心配していて、せっせとお見合いを勧めている状況だが、社長はそれを上手にかわして拒み続けているらしい。
だけど社長は誘いに乗って豪遊するタイプではないと伊地知部長から聞いたことがあるし、今は恋愛よりも仕事が楽しいのだと思う。
「それが、そうでもなさそうだぞ?」
「……なにが?」
「向こうはお前を気に入ったみたいだ」
意味がわからないとばかりに、グラスに口を付けたまま祖父に問うような視線だけを向けた。
社長がなにか誤解されているのだとしたら、私が今きちんと解いておいたほうがよさそうだ。
「どうしてそう思うの? 私と花野庵に行って抹茶あんみつを食べたから? おじいちゃんがふたりで行けって言ったんでしょ」
断ると角が立つから社長は了承してくれただけなのに、うがった見方をするのは失礼だ。
あの日のことは綺麗な思い出として私の心の中にしまっておきたいのだから、そっとしておいてほしい。
「いや……俺じゃなくて、たっちゃんが言ってる」
「え?」
「たっちゃんが朝陽くんの結婚相手を必死に捜してるのは知ってるだろ?」
それについては辰巳さんも言っていたし、社長も花野庵で煩わしそうな顔をして話していた。
辰巳さんが社長の結婚に関して相当心配していて、せっせとお見合いを勧めている状況だが、社長はそれを上手にかわして拒み続けているらしい。